2. Webストーリー監視マニュアル

本書はX-MON3.4.0より追加されたWebストーリー監視を実施するためのマニュアルとなっております。

本書における解説環境
X-MON ver3.4.0 以降

2.1. Webストーリー監視とは

BASIC 認証などの HTTP 認証や、ログイン画面を設定しているWebサイトの、ログイン先の監視を行います。

webstory_step1 webstory_step2

Webストーリー監視では、監視を行いたい各Webページより下記の情報を取得し、監視を行うことができます。

  • Webページにアクセスした際の、レスポンスタイム

  • Webページのレスポンスコード

  • Webページのレスポンスに含まれるHTMLソース

監視を行いたいWebページごとに「ステップ」という単位で登録を行います。

プラグインは各「ステップ」の上記何れかのチェックに異常があった場合、異常を検知します。

また、SSL証明書の有効期限が切れていた場合や、認証局が正規ではなかった場合も異常を検知します。

Webストーリー監視の具体的な使用例としましては、下記のようになっております。

  • 会員制サイトにてログイン処理を行い、Webアプリケーションが正常に稼働しているかを監視

  • 管理画面にてログイン処理を行い、バージョンアップの案内が表示されていないかを監視

  • ECサイトにて、実際に製品の購入が期待されるレスポンスで処理が完了できるかを監視

Webストーリー監視は、対象サーバへアクセスし、実際ユーザが行う挙動が行えるかを確認するため、 アクセスログなどが残ります。

本稼働中のシステムの監視登録などは、充分に監視テストを行ったうえで実施してください。

いかなるシステムへの影響が発生しても、弊社は責任を負いかねますのでご了承ください。

2.2. 監視設定方法

下記のストーリー例を用いて、Webストーリーの設定を行います。

監視対象のX-MON管理画面へログインを行い、ダッシュボード画面にX-MONのアップデート後に表示される
「最新のアップデート内容をご確認ください。」という文章がないことを確認する。あれば異常とする。
また、同じダッシュボードに未処理のサービス異常がないことを示す「障害は検出されていません。」
という文章が表示されていることを確認する。文章がなければ異常とする。

本章で扱う設定は下記の通りです。設定はサンプルであり、お客様の環境によって変更していただく必要がございます。

項目

内容

監視対象ホスト ※1

X-MON

監視対象X-MON IPアドレス

192.168.10.46

認証方式

認証なし

X-MON LoginID

login_user

X-MON Password

login_pass

※1 ホストX-MON以外にサービスを追加する際は、事前にホスト管理より登録を行う必要がございます。

2.2.1. Webストーリー管理画面

X-MON の管理画面で[管理者メニュー]より[Webストーリー管理]を選択します。

webstory_kanri

 遷移した画面の[新規作成]をクリックします。

webstory_add

2.2.2. ストーリー設定を行う

ここではWebストーリー全体の設定を行います。

webstory_set1

  • 設定項目の詳細について

X-MON の管理画面右上のアイコン群の「?」マークをクリックするとオンラインヘルプが 表示されます。

オンラインヘルプ内、[管理者メニュー] - [Webストーリー管理] - [Webストーリー 新規作成、編集 ストーリー設定]に 記載がございますのでご参照頂ければと存じます。

2.2.2.1. ストーリー設定入力例

webstory_set2

※1 1つ目の選択は「ホスト名称」の頭文字
   2つ目の選択は「ホストID(ホスト名称)」となっております。
※2 ユーザエージェントの入力例はオンラインヘルプに記載がございます。
※3 BASIC認証が設定されているWebページにアクセスする際は、ユーザ名とパスワードを必須で入力してください。
※4 WEBサイトの文字コードを選択してください。
   文字コードが設定と異なる場合、正常に監視が行えない場合があります。
※5 SSL証明書のエラーを検知させる場合は「有効」を選択してください。

上記入力を行ったのち、次へボタンを選択します。

webstory_set3

2.2.3. 監視設定を行う

ここではWebストーリーの各Webページにアクセスする手順「ステップ」の設定を行います。

webstory_set4

  • 設定項目の詳細について

X-MONの管理画面右上のアイコン群の「?」マークをクリックするとオンラインヘルプが 表示されます。

オンラインヘルプ内、[管理者メニュー] - [Webストーリー管理] - [Webストーリー 新規作成、編集 監視設定]に 記載がございますのでご参照頂ければと存じます。

2.2.3.1. 監視設定入力例

ここでストーリー例に記載しました、監視を具体的に入力します。

webstory_set5

  • STEP1:

まずはX-MONのログイン画面へアクセスを行います。
監視URLにX-MONのURLを入力し、ステータスコード200番が返ってくること。
かつ、取得したコンテンツに「X-MON3」が含まれていた場合正常にアクセスできたと判断します。
もし、接続先URLを間違ったなど、正常にX-MONへアクセスが出来なかった場合、このステップでWebストーリーはCRITICALを判断し、警告を上げます。

webstory_set6

  • STEP2:

ログイン画面へ正常にアクセスが出来ましたら、次はログインID、パスワードを使用し、X-MONにログインを行います。
監視URLにはログイン情報の送り先URLを入力し、LoginIDとPasswordにログイン可能な値を入力します。
X-MONのログイン情報は「POST」で送られますので、送信タイプに「POST」を選択する必要がございます。
監視結果としてステータスコード200番が返ってくること。かつ、取得したコンテンツに「ログインしています。」が含まれていた場合正常にログインできたと判断します。
もしログインに失敗した場合、このステップでWebストーリーはCRITICALを判断し、警告を上げます。

webstory_set7

  • STEP3:ログインが正常に行えた場合、未処理の障害が存在するかの確認を行います。

監視URLにはダッシュボードのURLを入力し、監視結果としてステータスコード200番が返ってくること。
かつ、取得したコンテンツに「障害は検出されていません。」が含まれていた場合、正常に監視が行え、障害がないことを判断します。
もし未処理の障害が存在した場合、このステップでWebストーリーはCRITICALを判断し、警告を上げます。

webstory_set8

  • STEP4:

最後に、アップデート内容通知を確認したか、を監視します。
監視URLには同じくダッシュボードのURLを入力し、監視結果としてステータスコード200番が返ってくること。
かつ、取得したコンテンツに「最新のアップデート内容をご確認ください。」が含まれていなかった場合、正常に監視が行え、アップデート内容を確認していると判断します。
もしX-MONのアップデートを行った後、アップデート内容通知を確認していなかった場合、このステップでWebストーリーはCRITICALを判断し、警告を上げます。

上記入力を行ったのち、次へボタンを選択します。

webstory_set9

2.2.4. 監視テストを行う

ここでは「ストーリー設定」「監視設定」で入力した項目を元に、実際に監視が行えるかのテストが実行できます。

webstory_test1

  • 設定項目の詳細について

X-MON の管理画面右上のアイコン群の「?」マークをクリックするとオンラインヘルプが 表示されます。

オンラインヘルプ内、[管理者メニュー] - [Webストーリー管理] - [Webストーリー 新規作成、編集 監視テスト]に 記載がございますのでご参照頂ければと存じます。

2.2.4.1. 監視テスト実行例

監視テスト実行ボタンを選択することで以下のように監視の結果が取得できます。

webstory_test2

テスト実行結果より、今回の監視にて障害が検知されたことがわかります。

障害が検知された際は、「STEP番号」で「ステップ名称」の、どの「監視内容」が異常になったかがわかるようになっております。

上記結果ですと、アップデート内容通知をログインユーザが確認していなかったため、警告が表示されています。

全てのステップで警告が発見されなかった場合、以下のような表示となります。

webstory_test3

「ステップごとの監視結果表示」を選択することで、次章で記載の 監視結果表示画面 を表示します。

2.2.5. サービスの登録を行う

設定ができましたら、[作成と承認]を選択してください。

webstory_fin1

設定が追加された旨と、X-MONの再起動ボタンが点滅いたしますので、X-MONを再起動して設定を反映させ、設定は完了です。

webstory_fin2

2.3. 監視結果の確認

X-MONの管理画面で[監視メニュー]より[サービス一覧表示]へ遷移した後、該当サービスのステータスリンクを選択します。

webstory_res1

2.3.1. 監視結果表示画面

ここでは各ステップの監視結果および、ストーリー全体のレスポンスタイムが確認できます。

webstory_res2

  • 監視結果の詳細について

X-MON の管理画面右上のアイコン群の「?」マークをクリックするとオンラインヘルプが 表示されます。

オンラインヘルプ内、[監視メニュー] - [サービス一覧表示] - [Webストーリー監視結果]に 記載がございますのでご参照頂ければと存じます。

  • Webストーリー監視ではアラートパターンが下記の通りとなっております。

ステータス

内容

OK(正常)

・すべてのアラートパターンに一致せず、
正常に監視が終了した場合

WARNING(警告)

・各ステップ設定の「監視レスポンスタイム」が
しきい値を超えた場合

CRITICAL(異常)

・各ステップの指定した「監視ステータスコード」
「監視文字列」が帰ってこない場合
・各ステップのタイムアウト秒数を超えた場合
・ストーリーの合計レスポンスタイムが
「ストーリー監視レスポンスタイム」を超えた場合
・データの取得に失敗した場合

UNKNOWN(不明)

・Webストーリー設定が登録されていない場合

監視結果を確認しましたら、[詳細表示]を選択してください。

webstory_res3

2.3.2. 監視結果詳細表示

ここではステップごとの詳細なレスポンス結果の確認が行えます。

webstory_res4

  • 監視結果の詳細について

X-MON の管理画面右上のアイコン群の「?」マークをクリックするとオンラインヘルプが 表示されます。

オンラインヘルプ内、[監視メニュー] - [サービス一覧表示] - [Webストーリー監視結果詳細表示]に 記載がございますのでご参照頂ければと存じます。

  • 監視結果にリダイレクトが発生している場合

例えばレスポンスコードが 「301」 → 「302」 → 「200」と遷移した場合、詳細画面は3回目のリクエストまですべて表示されます。

webstory_res5

  • 最大20回目までのリダイレクト結果を表示します。

2.4. 付録

2.4.1. 置換文字の使用方法

2.4.1.1. 複数回使用する文字をまとめたい

監視の登録をしていますと、「監視URL」や「送信データ」に毎ステップ同じ長い「ID」を送信する場合などが発生いたします。

以下のように設定を行うことで、入力間違いを軽減することができます。

[監視設定]の画面下部、[置換文字]の箇所に設定を追加します。

webstory_app1

「置き換え文字列」に置き換えたい長い文章などを入力し、「置き換え語」に使用する変数を登録いたします。

この文字列を使用したい場合は以下のように<置き換え語>と入力いたします。

webstory_app2

2.4.1.2. 1つ前のステップ結果に含まれる文字を使用したい

監視の登録をしていますと、監視URLや送信データに「ランダムで生成され、毎回変動するID」を送信データとして送る場合などが発生いたします。

上記のようなデータは基本、そのステップの1つ前に付与され、取得コンテンツ内に含まれています。

下記のように設定を行うことで、使用することができます。

1つ前のステップの取得コンテンツ

<!doctype html> <html lang="ja"> <body> <input type="hidden" name="token"
value="0WSRBK9WwszN2Fgkqj6xXDXc_XJsNJP8dq6tIJvbdqI"> </body> </html>

上記で表示した部分を<extract:/{正規表現}/>で取得します。

[監視設定]の画面下部、[置換文字]の箇所に設定を追加します。

webstory_app3

上記の設定で「token」が文字列「0WSRBK9WwszN2Fgkqj6xXDXc_XJsNJP8dq6tIJvbdqI」の代わりとなります。

この文字列を使用したい場合は以下のように<置き換え語>と入力いたします。

webstory_app4

2.4.2. 送信URLや送信データがWebページを見てもわからない場合

下記の例の使用し、Webブラウザ上の送信データが表示される箇所を確認します。

例)STEP2:X-MONにログインする際のIDとパスワードを調べる

  1. X-MONのログイン前の画面へブラウザからアクセスを行います。

  2. X-MONログイン画面でキーボードの「F12」をクリックしますと、ウィンドウがポップアップいたします。

  3. 表示されたウィンドウの「ネットワーク」タブを開き、キーボードの「F5」をクリックします。

  4. ウィンドウは開いたままでX-MONにログインIDとパスワードを入力し、ログインを行います。

  5. 「ネットワーク」タブの以下画像箇所を確認いたします。

※実際に入力したID、パスワードが表示されるため、目安にするとわかりやすいと思われます。

  • 使用ブラウザが「Fire Fox」

ネットワークタブにメソッド「POST」と書かれた行があります。その行のファイル項目が「送信URL」となっています。

webstory_firefox

行をクリックしますと、右側に項目が表示されます。

タブ「パラメータ」をクリックいたしますとID、パスワードが送られる変数名が表示されます。

  • 使用ブラウザが「Internet Explorer」

表示されないため、確認することができません。

  • 使用ブラウザが「Chrome」

※最新バージョン(59.0)では表示がされず、確認することができません。

ネットワークタブにメソッド「POST」と書かれた行があります。その行のファイル項目が「送信URL」となっています。

項目「Headers」の「Form Data」にID、パスワードが送られる変数名が表示されます。

webstory_chrome

  • 使用ブラウザが「Edge」

ネットワークタブにメソッド「POST」と書かれた行があります。その行の名前項目が「送信URL」となっています。

項目「本文」の「要求本文」をクリックいたしますとID、パスワードが送られる変数名が表示されます。

webstory_edge