28. グラフデータ保持期間変更マニュアル

本書はver3.13.1以降のX-MONで、グラフ表示に使用されている監視データの保持期間を変更するためのマニュアルです。
グラフデータの保持期間を短くしたい場合や、X-MONサーバの移行時に、バックアップ容量を減らしたい場合などにご利用いただけます。
本書における解説環境
X-MON ver3.13.1

28.1. グラフデータ保持期間変更について

操作はX-MONサーバのコンソール上で行います。
そのため、基本的なLinuxOSの一般的な操作、用語などについては知識をご理解の上でお読みください。
また、本稼働中のシステムでの作業などは、充分に検証を行ったうえで行ってください。
いかなるシステムへの影響やデータの破損が発生しても、弊社は責任を負いかねますのでご了承ください。

28.2. 新しく追加するサービスのグラフ保持期間を変更する

新しく登録されるサービスのグラフデータ保持期間を変更する場合は、X-MONのサーバ上で以下の設定ファイルを編集します。

# vi /etc/opt/x-mon/x-mon-config.ini

設定ファイルの rrd の値をデフォルトの 730 (365日x2年)から変更します。
※指定できる値は 14 ~ 730 です。
 その他の値は変更しないでください。

変更出来ましたら、「:wq」で保存して編集を終えてください。

以上で設定は完了です。
設定完了後から登録されたサービスについては、変更後の保持期間で保存されます。

28.3. 既にX-MONへ登録されているサービスの、グラフ保持期間を変更する

X-MONでは、RRDと呼ばれるファイル(拡張子「.rrd」)にグラフデータを保存しております。
以下のコマンドを実行することで、グラフデータの保持期間を縮小し、データ容量を減らすことができます。
このコマンドは、グラフ描画するサービスが多いほど時間がかかるため、
グラフデータを別のディスク上に取得の上、数件ずつ行うことを推奨します。
X-MONサーバにSSH接続を行います。
以下のディレクトリにコマンドがあります。
/opt/x-mon/share/bin/rrd_resize.php

28.3.1. コマンドの引数について

rrd_resize.php のコマンド引数として以下の設定が可能です。

引数

説明

必須

-d

グラフデータの保持期間を日数で入力します ( 14 ~ 730 )

-s

rrdファイルを保存しているディレクトリを絶対パスで指定します。

ファイルの読込み可能なディレクトリを指定してください。

-o

保存期間変更後のrrdファイルを出力するディレクトリを絶対パスで指定します。

ディレクトリの作成とファイルの書込み、読込み可能なディレクトリを指定してください。

--debug

変更作業中のログ出力レベルを設定します。デフォルトは0です。
1...内部関数についての出力を、追加で行います。
2...1に加えて指定された引数についての出力を行います。

-h

コマンドのヘルプを表示します。

28.3.2. 変更手順

28.3.2.1. グラフデータのコピー

X-MONのグラフデータを /var/opt/x-mon/rrd/ 以下から、任意のパス(または別のディスク上)にコピーします。
※コピーしたrrdを保存したディレクトリパスを /path/to/rrd とします。
 ディスクの容量にご注意ください。
# mkdir /path/to/rrd
# cp -pR /var/opt/x-mon/rrd/* /path/to/rrd

28.3.2.2. 出力先ディレクトリの作成

期間変更後のファイルを保存するディレクトリを作成します。
※ディレクトリのパスを /path/to/output とします。

# mkdir /path/to/output

28.3.2.3. 保存期間変更の実施

以下コマンドの引数を確認し、実行します。
-d には保存する期間を指定してください。

# php /opt/x-mon/share/bin/rrd_resize.php -s /path/to/rrd -o /path/to/output -d 365

28.3.2.4. 再配置

/path/to/output に作成されたrrdファイルを、元の /var/opt/x-mon/rrd 以下へ戻します。
管理画面より該当のサービスのグラフ表示画面を開き、グラフが正しく表示できることを確認してください。
X-MONの再起動は不要です。

28.3.2.5. 上手く表示が行えないサービスが存在する場合

再配置後、表示が行えない場合は、コピーした /path/to/rrd よりグラフデータのrrdファイルを戻してください。