36.1. はじめに

36.1.1. 本マニュアルの目的

本マニュアルは、X-MON に追加された DCIM/IPAM 機能について、 エンドユーザーが日常的な運用に活用できるよう、基本概念と操作方法を説明することを目的としています。

本マニュアルを通じて、利用者が次のことを実現できるようにします。

  1. IPAM/DCIM の統合管理

    サイト、ラック、デバイス、ケーブル、電源設備といった物理インフラと、 IP アドレス、VRF、VLAN、ASN といったネットワークリソースを一元的に管理できるようにします。

  2. 監視と連携した資産管理

    X-MON の監視対象と整合性のあるデータを登録・管理することで、 障害対応やキャパシティ管理に役立てられるようにします。

  3. 効率的な運用フローの定着

    新規拠点の追加や IP アドレス計画など、日常運用の中で繰り返し発生する作業を 定型化・効率化できるようにします。

  4. データ整合性の確保

    ネットワークの「望ましい状態(Source of Truth)」を維持するために、 データの入力順序や検証方法、関連オブジェクトの関係性を理解できるようにします。

36.1.2. X-MON における DCIM/IPAM の役割

本機能はバックエンドに NetBox を採用し、独自のフロントエンドを通じて DCIM (Data Center Infrastructure Management) 機能 および IPAM (IP Address Management) 機能 を提供します。

X-MON ユーザーが効率的に「サイト・ラック・デバイス・IPアドレス」などを管理し、監視対象インフラと 一貫性を持って運用できるようにすることを目的としています。

この統合により、従来は別々に管理されがちだった 「物理設備」「ネットワークアドレス」「監視設定」を一元化し、 運用の効率性とデータの整合性を高めることができます。

具体的な役割は次のとおりです。

  1. 監視対象と管理情報の一貫性確保

    X-MON上で利用するホスト名やIPアドレスを、 DCIM/IPAM 上のオブジェクトと対応付けることで、 設定漏れや入力ミスを防ぎます。

  2. 資産管理と運用ログの統合

    サイト、ラック、デバイス、電源といった設備情報を X-MON の監視対象と関連付けて記録することで、 障害対応や設備更新の際に参照できる「資産台帳」として機能します。

  3. 計画業務への活用

新拠点の追加やネットワーク拡張に際して、 IPアドレスの割り当てやラックの空き容量を事前に確認できるため、 計画段階から監視と管理の両面で整合性を確保できます。

  1. データの「唯一の情報源(Source of Truth)」

監視と管理を別々に運用するのではなく、 DCIM/IPAM を「望ましい状態を反映する情報源」として統一することで、 運用現場の混乱を防ぎます。

X-MON における DCIM/IPAM機能 は、「監視」と「管理」をつなぐ役割を果たす基盤です。 これにより、利用者は 監視画面で見えるアラート情報と、 裏付けとなるインフラ管理データを同じ枠組みで扱える ようになります。